子連れ海外旅行 イタリア編
公開日:
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最終更新日:2014/06/03
旅行
「子連れ 海外旅行」でググると発言小町などがヒットし、やれ「迷惑」だとか「大きくなってから行くべきだ」とか少子化を加速させかねない発言がよく見られるのですが、確かにその通りでしょう。基本的に子供というのは 迷惑なものであり、隣で泣かれた日には拷問でしかありません。まぁ、耳栓するとか映画を大音量で見るとか方法がなくはないのですが、それでも漏れ聞こえる泣き声とか自分のエリアに侵入してくる手足とか、シートを揺さぶる衝撃などはせっかくのバケーションを陰鬱にしてしまいます。
とはいうものの、子供を持つ親も一人の大人です。2000年の歴史に思いを馳せながら現実のしがらみを忘れられる時間も欲しいのです。普段から数少ない時間を子供に費やし、ゆっくりしたいのにディズニーランドに行ったり、ゆったりと過ごしたいのに海に行かされたりしているのです。「いいじゃないか。あなた達は飛行機だけ我慢すればいいだろうが、こっちは着いてからも帰ってからもずっとなんだよ!」という訳の分からない怨嗟の声が聞こえてきそうです。
まぁ、行くかどうかという質問をすると行くべきではないという回答が出るのは当然なので、行くことにしたのだが何か情報はないかという方に対して、行ってきた結果をお話ししたいと思います。行って良いのかという問題は社会の成り立ちにも関わってくる深淵なテーマなのでこのエントリーでは重すぎます。今回は、肩身の狭いストレスフルな子持ち大人がようやく見つけたチャンスを何とか丸く収めるための一助になるような情報提供が目的です。
基本情報
- 旅行先 :イタリア(8泊)
- スペック:7歳女、1歳7ヶ月男(大人2人で引率)
- ルート :空路ヴェネツィア着→ヴェネツィア泊→列車移動→ローマ泊→日帰りポンペイツアー→空路ローマ発
- 時期 :4月上旬
子連れでも安心:お勧めの宿
宿は街の中心にあるものを選びましたが結果として大正解でした。子供が楽しめるかも知れないと郊外の宿なども検討しましたが町中で良かったと思います。町中で良かったことは、
- 子連れでの長時間移動を少しでも減らせる。
- 街について迷子になってもダメージを最小限に抑えられる。
- 観光ポイントに近く、子供が飽きたらすぐに帰れる。
- バッグにあるはずのオムツが切れていることに気づいても取りに戻れる。
- 大人が役割分担して一人で見たいところをさっと見てくることができる。
デメリットは特にありません。
ヴェネツィア
Le Tango (サイトはこちら)
ヴェネツィア空港から水上バスでリアルト橋に来て、リアルト橋からは徒歩で5分程度。長時間の移動の最後がこれだけ短いと精神的にも肉体的にもとても楽。サンマルコ広場にも近いので子供の休憩中に一人で宮殿を見てくるという技も可能。スーパーマーケットや魚市場も近いので買い物が楽。ホテルを出て直ぐのところに小さな広場があり子供が駆けまわるには調度良い。
ローマ
Moshi Moshi B&B(サイトはこちら)
テルミニ駅の真横。ヴェネツィアから移動してきてすぐに荷物をおろせるロケーション。駅地下のスーパーや市内観光バスの乗り場、ポンペイ行きツアーバスの乗り場に近く子連れでの移動が楽。建物のメイン玄関を入ると敷地内にスペースがあり子供が駆けまわるには調度良い。宿の近くにインターネットカフェがあり、ヴァティカン美術館の予約券の印刷が可能。隣に中華料理店がある。
子連れでも気兼ねなく:お勧めのレストラン?
レストランの選び方は一般旅行者とは逆に、店の中を見て客がいなければOK、流行っていないほうがむしろ助かるというものです。いわゆるガイドブックやトリップアドバイザーで勧められ、美味しくてサービスもよくて値段も手頃な人気店は子連れには向きません。混んでいるし落ち着かない。名前を聞いたことがなく客が少ないところが気を使わず子供ものびのびして楽しめます。そういう無名のレストランでもイタリアなので味の水準は十分高く満足できるものです。
ヴェネツィア
オススメレストランの初っ端からなんですが、基本は宿です。スーパーマーケットで買った生パスタと朝の魚市場で買ったイカを使った「イカスミパスタ」が最高。外のレストランも美味しいのですが狭くて混んでいるし、熱々のパスタが運ばれるので気が気じゃありません。テーブルの上のナイフやフォークは打楽器に早変わりです。また、運河や干潟の見える小洒落たレストランは子供が落ちる危険がありおちおちしていられません。
ムラーノ島
ムラーノ島のレストランでは運河に落ちやしないかと気になって食べた気がしません。運河から離れて鳩を追いかけ始めたので安心していたいたかと思ったら犬の糞を手に拾ってきました。忘れたい思い出です。
コロッセオ周辺(ローマ)
コロッセオやフォロ・ロマーノは広いので朝から観光をしていても全てが見終わることはなく時間的にこの界隈でお昼となります。お薦めはフォロ・ロマーノから出たところのレストランでサンドイッチを買い、向かいにある小さな公園のベンチで食べること。席を取ると高くなるしどうせ座っていられないのでベンチで十分。
バチカン美術館周辺(バチカン)
バチカン美術館からサン・ピエトロ広場までは途中に数軒レストランがありここが最高です。特に注目に値するおいしさというのではなく、敢えてここで食べる人が少ないところがポイントです。道路から1段下がったところにオープンエアーのテーブル席があり開放感もあり子供も大喜び。歩き回っても囲われているので危なくないし客がいないので誰にも迷惑をかけません。人にあふれたローマで人の少ないレストランは子連れ旅行にとって大変貴重です。
トレビの泉周辺(ローマ)
マクドナルド一択でしょう。この界隈は人だらけでどこのレストランも混んでいますが「イタリアに来てまでマクドなんか嫌だ」という旅行者が来ないため比較的空いているのです。また、マクドナルドは基本的に回転が早く少し待てば1階の席に座れます。出入口脇にはベビーカー置き場もあり、ここからガラス越しに店外の路上アーティストを見ることも可能。スプレーアートに子供がかぶりつきの間、しばしの休息が得られます。
テルミニ駅脇(ローマ)
中華料理店「君豪」。店内が広くテーブルの間隔が広いため子連れでも気兼ねなく楽しめます。子供の夕食時間と店のピークがズレているため客は少なく店員が賄いを食べていたりと気安さは最大級。ベビーチェアも汚いけどあります。
ポンペイ遺跡(ポンペイ)
ツアー客用のレストランに連れて行かれて、まぁある意味気楽。大して美味しいものではないので交代で食べることになってもそれほど苦痛を感じません。オムツを変えるスペースはたくさんあります。
※残念ながらまったくイタリアのお薦めレストラン紹介にならなかったことをお詫び致します。。。
体を動かして遊べるところ
ご存知の通り子供というのは体を動かさないと狂います。特に長時間の移動や観光でのバス移動、美術館でのベビーカー移動など体を自由に動かせない状況が続くと食べ物や飲み物ではごまかせなくなってくるのです。観光の合間合間にバランスよく自由に動き回れるイベントを入れることをおすすめします。
サン・マルコ広場(ヴェネツィア)
主要な観光ポイントでもあり家族みんなで楽しめるところです。広場にはたくさんの鳩がいるため、これを子供が追いかけることで大人はしばしの休息が得られます。ただし、気を抜くと海に落ちるので注意が必要です。柵などもちろんありません。
ボルゲーゼ公園(ローマ)
ローマの中心地から北に行くと巨大な公園があります。ここへは地下鉄も出ており交通の便も優れています。公園の中心付近にあるカフェは客入りが少なく外のテーブル席に座れば子供がうろついて騒いでも迷惑になりません。遺跡や美術館巡りで気疲れした神経を木陰が優しく癒してくれるでしょう。きれいなトイレも使えます。
サン・ピエトロ広場(バチカン市国)
バチカンの中心であるサン・ピエトロ教会前の広場です。特に何もない広場ですが走り回るには最適です。見晴らしもよいので子供がどこまで行っても眼に入るところが安心です。ここでくたくたになるまで遊ばせれば帰りのバスでもぐっすり寝てくれます。
フォロ・ロマーノ(ローマ)
観光地と一体化した遊び場としてフォロ・ロマーノも有効です。石畳や置き石に足を取られて転ぶのですが、他に危ないものもなく車も入ってこないため子供を野放しにできます。カエサルのバジリカを前にしばし古代に思いを馳せるあいだ、子供は蝶々を追っています。
子連れの海外旅行の勘所
子供を静かにさせる方法
7歳の娘はマインクラフトが大好き。iPadを渡しておけば静かにしています。今回ヴェネツィアまでの移動がトータルで10時間ほどでしたが大人しく出来ていました。下の1歳7ヶ月児は眠い時、寝起き、体を動かしたいときにグズる傾向にあります。基本的には食べ物、飲み物、iPadなどで気を散らしつつ、窓の外を見させたり座席の下に立たせたりします。
イタリアに着いてからは定番の甘いクロワッサン、マリークッキー(持っていった)、パックのオレンジジュース(スーパーマケットで購入)をローテーションしました。旅行中はおとなしくさせるためにどうしても甘い物や子供の好きな物を与えざるを得ません。疲れていても寝る前の歯磨きだけはしっかりしましょう。
ベビーカー
ヴェネツィア、ローマ、ポンペイ、ヴァティカン、と基本的にベビーカーはキツイです。石畳や階段、地下鉄などそもそも街の作りがベビーカーに使いやすくなっていません。古い街なので仕方がないのでしょう。しかしキツイですがポンペイ以外は持っていって良かったと思っています。
まずヴェネツィアは、運河をつなぐ橋でいちいち持ちあげる必要がありますが、基本的に石造りでフラットなため使いやすい街といえます。水上バスにのるか歩いてしまうか迷う距離で歩いてしまう選択がかのうなのです。ローマも石畳が劣化しているとはいえ街の広さを考えるとベビーカーが重宝します。地下鉄はベビーカーごと乗車してもスペースがありますし、観光用のダブルデッカーは1階部分にベビーカー用のスペースがあります。また、車の往来が激しいので歩かせるよりも安全なのです。コロッセオも途中まではベビーカーで進めます。ヴァティカン美術館もベビーカーの受け入れがされていますし、むしろ優先してもらえるようになっています。
飛行機の座席が離れ離れの時
朝早いフライトで且つトランジットを必要とする場合、チェックインの時に乗継便の座席を決められないことがあります。そんなときトランジット後にカウンターで決められた席は家族がバラバラということもあります。これは悲劇です。家族で集まろうとして元々通路側をキープしていた人に移動を願い出ても受け入れてくれないでしょう。当然ですが誰でも快適な旅を望んでおり見ず知らずの家族のために自分が犠牲になることは望んでいません。
ただし諦めてはいけません。他の乗客に迷惑をかけないためにも家族はまとまって座ることが望ましいです。何とか機内のアテンダントに状況を説明し座席を替えてもらいましょう。ビジネスクラスが空いていればアップグレードしてくれたりします。子供をだしにしたグレードアップはずるいという人もいますが、機中で他人に迷惑をかけないための措置であり、全体の最適化につながります。今回はエールフランスに助けられました。ありがとうエールフランス!
今回調べられなかったこと
- 移動中のうんち
- レストランの食器を割ってしまったら
もし斯様なイベントに遭遇された方は是非その後の対処について教えて下さい。みなさんの子連れ海外旅行が丸く収まることを祈念します!
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